沖縄空手無想会(東広島)

新垣清最高師範によって再興された沖縄武道空手を広島で追及していく様子です。

ブライアン四段先輩の動き

前回、ナイファンチ立ちで脚を上げるだけで自然と業(技)になると書きました。

ナイファンチ立ちが正しくでき、しっかりと大腰筋で脚を上げる事が出来れば、自然とトルクも掛かるし、自由落下と大腰筋との激突も起きます。

 

さて、先日8/6の沖縄特別セミナーで米国本部の黒帯の演武を見せて頂いたのだが、その中で一際目を引いたのはブライアン先輩の形でした。

その特徴を一言で言うと、何気ない動きであった。

スッと動き出したと思ったら、その動きが最後まで続きます。スッスッスッスッスッ、はいっ終わり、といった感じです。しかしながら、出す技は一発一発、パンッ!パンッ!パシンッ!と激しく勢いのある技が出てくるのです。

所謂一般的な形競技の様な“今戦っているぞっ!"という気負ったものも無く、表情は至って普通で、まるで職人が何か一つの作業でもしているかのような、何気ない動きの連続なのです。

余談ですが、職人技というのは、超高度な技術も機械のような正確さで、いや、機械以上のそれで、いとも簡単なようにやってのけてしまうものです。勿論、その表情は変わることは無く、大変そうな顔は全くしません。スッと始めたと思ったらいつの間にか終わってします。しかし、実際は1年、2年程度の修行では培う事が出来るようなものでは無い技なのですが、大変さが滲み出るような職人は半人前です。

考えてみれば、競技空手の形とはこの職人技の真逆の事しなければ、勝ち上がる事が出来ないようになっているように思えます。表情で厳しさ、激しさを表し、決め所を皆に分かるように見せ、如何に難しい技を行っているかアピールしなければなりません。

 

話を戻します。ブライアン先輩の形は激しさもなく厳しさも見せません。表情は至って普通で散歩でもしているかのような顔をしています。そして、スッスッと動くので決め所も分かりにくく簡単に終わってしまうので誰でも簡単に出来てしまうのではないかと勘違いさせられそうになってしまいます。

これは、職人技を見た時と同じ感想ではないでしょうか?

しかし、無想会の動きを知っているものにとっては、その厳しさ、激しさ、難しさ、そして恐ろしさはビンビンと伝わってくる形です。

職人技も、実際に素人がやってみるととても簡単に出来るようなものではありません。

無想会(本来の沖縄空手)の業(技)というのは、当たり前に歩く事で出す事が出来ますが、この当たり前に歩くという事がものすごく困難で我々は何年も正解を求めて稽古し続けています。

簡単(そう)に見えることこそ、難しいのです。

 

ブライアン先輩の形は、修行する事であそこまでの動きになる事が出来るのだと、はっきりとした指標を見せて頂いたように思えます。

 

以上、文責は筆者にありますが、間違い勘違いがあっても一切責任を取りません。

知らんけど。

無想会中四国稽古会のお知らせです。
9/16(日)PM6:00〜
場所:東広島市西条町寺家2918
新宮神社 神楽殿

空手経験の有無、流派は問いませんので、無想会空手に興味がある人は
i_taka_s50_4_7syunpou@yahoo.co.jp
まで連絡をして下さい。