ナイハンチ立ちとは、立ったまま落ちる状態にした立ち方です。
立った瞬間に落ちていなければ、立ち方としては不完全なものとなります。
だからこそ「立つ即技」となります。
この落ちている状態のまま立つことが出来て初めて「形・型」が成立します。
これが理解できれば、空手にとって“捻る”“回す”“地面を蹴る”という行為が如何に致命的な行為かが分かります。これらは全て“落ちる”ことを阻害する行為でしか無いのです。
すると“形”の本質が分かり、正中線、演武線が何故必要なのかが分かり、延いては相手との間合いとは何かが理解できます。
即ち、「形・型」とは、立ったまま動けばいい訳で、立った時既に動いた状態を作る事に他ならないからです。
昨年の5月に新垣師範の転身による“浮き”を学んだのですが、立つことが落ちることと理解できていれば“浮き”の理解も進みやすい。詰まるところ、同じ事を形を変えて行っているだけなのです。極論を言えば立った状態が既に“浮き”であると云えるでしょう。
厳しい言い方ですが、これを理解せずに行う「形・型」はただの体操に過ぎず、殺陣、舞踊と何ら変わらないと云えましょう。
技は全て落ちた状態で出す、ということが理解できれば、自ずと突き、蹴り、投げ、動きの原理原則が見えてきます。
以上、無想会一門下生の理解なので知らんけど。